体が硬くなってきた気がします。特に下半身。これは武術をするには致命的にまずいことですね。新体操の選手のようにしなやかでなくてもいいとは思いますが、ある程度の柔軟性は必要だと思います。
日々の生活で、体を柔らかく使おうと心がけていますが、そこはフランスでの生活。イス中心で、ベッドで寝ます。体が硬くなってきても仕方がないのです。アメリカ生活でも同じような感覚をした覚えがあります。
日本の武術は生活感覚に根差した身体操作を根本に置いていると思います。
別に日本に限ったことではないのでしょうけど。
正坐やあぐらは武術をする上で必要な条件だと思っています。床坐をすることで自然に下半身の柔軟性を高めているのですね。
フランスの自宅(アパートですけど)では、長座布団を敷いて出来るだけ床に坐るようにしていますが、座卓がないので、食事をするときはテーブルを利用しなければならず、結果としてイス坐が増えてしまいます。
ちなみに長座布団というのは、長野特有?のもので、座布団を二つ三つつなげたようなものです。文字通り”長”座布団です。大学時代から愛用していて、今回のフランス赴任に際してもわざわざ取寄せて送ってもらいました。
道場は畳に坐れる貴重な機会です。じっくりと堪能してしまいます。
そこへドヤドヤと大勢のフランス人がやってきました。どうやら地域役員の会合のようで、施設の使用状況の確認と打ち合わせにやってきたみたいです。
相棒がどのように施設を利用しているのか説明をしていました。
参観者から質問が出たみたいです。なぜあの日本人はずっと坐っているのかと。
いや、あのね。今は床坐を堪能しているだけで、もうすぐ動くから。
仕方がない?ので抜刀術の稽古。
また質問。なぜまだ坐っているのかと。
いや、あのね。こういう武術なんです。ごめんなさいね。
解説するのに、汗をかきました。
フランスでは柔道や剣道はポピュラーです。でも居合、抜刀術はマイナーというよりほとんど知られていません。当たり前ですけど。坐ったまま動いているのが奇異に見えるのでしょうね。不思議そうに見ていました。
私からすれば、私の横で空手とキックボクシングのフリースパーリングをしている奴らのほうがよっぽど奇異に見えるのですけど。参観者は頷いて納得しているようでした。
お前の妙な武術を宣伝しておいてやると言ってくれました。
「妙な」は余計ですが、感謝してお別れ。
写真は私の住む街から見た夕映えです。なかなかいい景色と思っているのですが、午後4時半では早すぎます。